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行き先不明小説その1

名探偵マルコ・ロッシの徒然

モンテモテシティ掃き溜め横丁には今日も自作ヌンチャクを
見せ合う自称小学生達で溢れかえっていた。
照りつける日光を遮るビル郡に隠れ、
無名のヌンチャク使い(ヌンチャカー)達は違法性の高いギャンブル、
ヌンチャクカルタに興じている。
その雑踏をかき分けて、中心地、ヌンチャカーの
首領であるヌランダルに近づく鳥打帽をかぶった男がいた。
周りより年嵩のその男性は、年相応の低い声でブツブツと
何かを首領に伝えている。
断片的に聞き取った言葉を繋げていくと、
どうやら例の襲撃事件について言付けているらしい。
周囲に言い知れぬ緊張感が走り、いつしかヌンチャカー達は
手を止め、その男に見入っていた。
(安い擬音)――静寂を乱す突然の銃声に気がついた者は誰もいない。
銃声が耳朶に響き、首領が撃たれた事に誰もが気づいたときには、
鳥打帽の男の姿はそこにはなかった。
事実は空白を挟み、薄もやの向こうに霞んで消えた。

足跡のかわりに謎を残していった男。
モンテモテシティのセントラルにある安アパート。
錆び付いたドアには赤茶けたペンキで
こう書かれている――マルコ・ロッシ探偵事務所。
ドアの向こうの奥の奥、雑然と積み重なった書類に囲まれ、
先程の鳥打帽の男がパイプをふかせていた。
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