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行き先不明小説その3

マルコの訃報が地方新聞の片隅を飾ってから、
すでに数週間が過ぎていた。
主人のいなくなった事務所では、以前と変わらず定期的に
助手のマリアファリナが雑務をこなしている。
長い欠伸をする猫は、帽子屋根の上で今日も転寝をする。
魚屋の店主の酒焼けした声が往来に響き渡る。
いつもと代わり映えのしないモンテモテシティの午後の昼下がり。
しかし確実にマルコの存在が欠けていた。

大気が震える音を聞いた。
地響きにより地表の砂が巻き上げられるのを見た。
空からやって来たものは、人々に第二の目蓋をおろさせる。
主人を失った世界の崩壊が近づいていた。

その日、突然に人類史は幕を閉じた。
マルコは最後まで自分が殺された謎がわからなかったのだ。
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